Claude 公式システムプロンプト公開。Anthropic トークン 40–50% オフ転売市場の実態ほか5件

朝版ai

今日の3行

  • Claude の公式システムプロンプトが公開されました。Hacker News で 450 ポイントを集めてバズ中で、API でエージェントを組む際のプロンプト設計の一次情報になります。
  • 推論ベンチマークは上がり続けるのに、世界知識は意図的に捨てられています。GLM-5.2 は AIME 2026 で 99.2%、DeepSeek V4-Flash は 130 億パラメータアクティブで、SimpleQA では Gemini 2.5 Pro でも 53% です。
  • Anthropic トークンが 40–50% オフで転売される信用取引市場が実在します。API コスト削減の手段として、プロキシ経由の停止・盗用リスクとセットで把握しておきたい情報です。

1. Claude 公式システムプロンプト公開、450 ポイントでバズ中

要点 Claude の公式システムプロンプトが公開されました。Hacker News で 450 ポイントを集めてバズ中です。

なぜ重要か Claude がシステムレベルでどう振る舞うかの一次情報です。API でエージェントを組む際のプロンプト設計の参考になります。

実践で使える点 API でエージェントを組む際のプロンプト設計の参考資料として参照できます。

原典 Claude: System Prompts

2. 推論ベンチマークは上がり続けるのに、世界知識は意図的に捨てられている

要点 推論スコアは上がり続けるのに、トークンあたりの計算量は下がり続けています。GLM-5.2 は AIME 2026 で 99.2%(トークンあたり約 400 億パラメータアクティブ)、Qwen3.5 は 91.3%(170 億)、DeepSeek V4-Flash は 130 億アクティブです。対照的に 2023 年の GPT-4 は約 2800 億アクティブと言われながら AIME の問題をほとんど解けませんでした。一方、事実想起のみを測る SimpleQA では現行トップの Gemini 2.5 Pro でも 53% で、小さいモデルはほとんど記録がありません。Qwen3.5 の 4B と 9B は知識ベンチマークで 80–82% のハルシネーション率と測定されています。

なぜ重要か GLM-5.2 / Qwen3.5 / DeepSeek V4-Flash の実測パラメータ数と SimpleQA での退化を数値で比較できます。モデル選定時に「推論 vs 知識」のトレードオフを判断できます。

実践で使える点 ラボは世界知識を推論スキルと意図的に交換しており、知識の担い手はハーネス(リトリーバル、ツール呼び出し、ウェブ検索)に移りつつあります。モデル選定時には知識の重みをハーネスに委ねる前提で判断できます。

原典 Models Are Getting Dumber on Purpose

3. Anthropic トークンが 40–50% オフで転売される信用取引市場の実態

要点 「トークンブローカー」と呼ばれる人々が、スタートアップの未使用クレジットを買い取って転売しています。直接リレーはリスト価格の 40–50% オフで、あるセラーは 1 日あたり 10 万ドル相当のスぺンドを提供していました。売り手はプロバイダのキーを直接渡さず、キーのプールから選んでプロキシ経由でリクエストを転送する形です。クレジットマーケットプレイス(AI Credits、AICreditMart など)や、バルク価格を謳うルーター型サイト(CheapCredits、Tokvana、Neokens など)も存在し、調査したサイト・フォーラム・再販業者を合わせると数千万クレジットが提供されているとの見積もりです。

なぜ重要か API コストを下げる手段として実際に動いている市場があることを把握できます。プロキシ経由の停止・盗用リスクとセットで知っておくべき情報です。

実践で使える点 転売クレジットはプロキシ経由でリクエストを転送する仕組みのため、停止・盗用リスクを伴います。40% オフはプロバイダの大口顧客でもなければ非常にあり得ない水準で、バルク価格を謳うサイトは別ルートで供給を確保している可能性が高いと指摘されています。市場の実態を認識した上で、通常の API 利用を前提に判断するのが現実的です。

原典 The AI Credit Resale Economy

4. Anthropic がマルチエージェント時代の協調パターンと失敗例を整理

要点 エージェントは長時間働き、膨大な情報を瞬時に把握でき、人間を超える知識の広さを持つ一方、confabulation と reward hacking に弱く、アライメントの進展にもかかわらず複雑な実世界のマルチエージェント環境での振る舞いはほとんどわかっていないとしています。個人レベルの無害な行動の癖が、望ましくないグローバルな結果に増幅される可能性も指摘しています。ソフトウェア脆弱性検出の実験では、45 のエージェントにそれぞれ仮想マシン、共有フォーラム、同一のプロンプトを与え、15 のオープンソースプロジェクトの脆弱性を探させ、互いの成果をピアレビューさせたうえで仲裁エージェントが最終判断しました。Mythos Preview では、独立並列方式が 650 万トークンで 21 件を発見したのに対し、協調スウォームは 2700 万トークンで 266 件を発見しましたが、約半数は独立並列エージェントが対象としたコアディレクトリ外で、コアディレクトリに限定するとトークンあたりの発見数はほぼ同等でした。両者は共通する発見が 12 件のみと、ほぼ相補的です。一方、テキストベースのオープンワールドゲームを複数のスウォームに 12 時間かけて作らせた実験では、ベースライン・役割指定・CEO 階層の 3 種類のプロンプトはいずれも大きな違いを生まず、出来上がったゲームはどれも人間の速度で動かず、インターフェースも不可解でした。

なぜ重要か エージェント間相互作用の具体的な問題パターン(confabulation、reward hacking)を知り、自前でマルチエージェントを組む際の落とし穴を避けられます。

実践で使える点 エージェントは、他のエージェントを明確な入力(プロンプト)と出力(レスポンス)を持つツール呼び出しとして扱える限り効率的に協調できますが、対等で長期的なピアとして扱う段になるとつまずきます。プロンプトの工夫(役割指定・CEO 階層)よりもモデル世代の差の方が協調に強く影響し、Sonnet 4.6 と Opus 4.6 は PR のマージがひどく、Sonnet 5 のみが高いマージ率とコード共有の両方を維持しました。並列化しやすい問題では独立並列とスウォームはトークンあたりの成果が同等でも発見がほぼ相補的で、特殊化と協調が今後は無計画な総当たり探索に勝ると予測されています。

原典 Patterns and problems in emerging multi-agent systems

5. Dario Amodei「AI 不信の本質はマーケティング不足ではなく、約束の未達だ」

要点 Dario Amodei 氏は、一般の AI に対する否定的な見方が大きな問題であることは同意しつつ、それが AI リーダーによるリスク警告が主因ではなく、根本的には信頼の危機だと述べています。一般の人は企業・政府・テック業界を信頼しておらず、常に何か新しいやり方で騙されないかと疑っていて、その原因は数十年に遡り、AI はその最新の一例にすぎないと指摘しました。ポジティブなスピンをかけた華々しいマーケティングキャンペーン(Anthropic に対して提案する人もいる)は信頼を取り戻す方法にはならず、「AI はがんを治す」と言うのはもはや感動よりも決まり文句であり、多くの人はそれを欺瞞的だと感じると述べています。効果があるのは実際にがんを治すことです。AI 企業(Anthropic を含む)への最も正確な批判は、世界に利益をもたらすという大きな約束をまだ果たしていないことであり、それは完全に自分たち側の責任で、メッセージングやマーケティングについての批判ではなく、そこを批判すべきだと語っています。

なぜ重要か 追跡人物の発言です。Anthropic の今後の方針と AI 業界の空気を読む材料になります。

実践で使える点 Anthropic の評価軸が「世界への利益という約束の達成」にあると明言されたため、今後はマーケティングの言葉ではなく実績の側面から動向を判断できます。

原典 Quoting Dario Amodei

原典

  1. Claude: System Prompts
  2. Models Are Getting Dumber on Purpose
  3. The AI Credit Resale Economy
  4. Patterns and problems in emerging multi-agent systems
  5. Quoting Dario Amodei

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